とりもつラーメン
山形県最上地方ではラーメンの中に鶏モツを入れるという文化があります。
僕は20年前新庄市に転居して来て初めて食べましたが、今でもその衝撃と感動を昨日のことのように思い出します。
だって、何も知らずに勧められるまま頼んだ「もつラーメン」で入っていたのが牛でも豚でなく鶏のモツなんですよ。それまで鶏モツなんてほとんど食べたこともなかったし、なんとモツの中にキンカン(卵になる前の卵の黄身)が入っていたんです。それはそれはインパクト絶大でしたΣ(・□・;)
でもね、食べてからの感動も凄かった。ある意味、初めは見た目とのギャップが感動を深くしたのかもしれませんが、その後も食べれば食べるほどハマってしまう美味しさなんです。
近年の当地ラーメンブームの影響もあり、県内ではそれなりに有名なラーメンのカテゴリーになりましたが、僕は日本中どこで出しても受け入れられるような、そんなポテンシャルの高いラーメンなんじゃないかと思っています。
一茶庵支店(いっちゃあんしてん)
新庄市内には一茶庵本店・一茶庵支店・一茶庵分店があります。
その中で最も人気がありもつラーメンの草分け的存在となっているのが「一茶庵支店」です。
週末の昼時はいつも混雑している人気店で、並ばないと入れないことも多々あります。
ちなみに僕が初めてもつラーメンを食べたのもこちらのお店です。
この日は平日の11:45頃でした。
入店と同時にスムーズに席に座れました。
店内はテーブル席と小上がりそして比較的広い座敷があり、かなりの人数が収容できるようになっています。
メニューと注文
メニューは「もつラーメン」をはじめ、10種類のラーメンとその他7種類の蕎麦がありました。山形県ではよくあることですが、もともとは蕎麦屋さんなのでしょう。でも蕎麦を注文している人を見たことはないんですけどね(;^ω^)。
僕は迷わず「もつラーメン(大)」(700円)を注文です。
もつラーメン
注文して7分、いよいよ運ばれてきました。
こちらがもつラーメンです。
色は一般的な醤油ラーメンよりちょっと薄めでしょうか、とても穏やかな雰囲気です。
そして、上に乗っているのが鶏モツとメンマとネギです。
見慣れない方にとっては新鮮で斬新なフォルムでしょうが、味を知っていると愛おしささえ感じるんです。不思議ですね。
まずはスープですが、鶏だしがしっかりと効いており、またちょっとの酸味も感じる不思議な味です。
そして鶏モツはというと、しっかりと下処理がされているんでしょう、臭みが全くなく薄い味付けがされており、いろいろなモツも食感や味が楽しめます。
そういえば最近、丸いキンカンを見かけなくなったなぁ、なんて思っていますがなぜなんでしょう。あれがあると更にテンションが上がるんですけどね。
麺は細くてほどんどコシがない、まるでふにゃふにゃなそうめんのような麺です。
しかしみなさん、食べると分かります。このスープとこのモツとこの麺の相性の良さが。この麺以外は考えられなくなります。すべてが一体化して見事に一つの作品を作り上げています。普段コシの強い麺が好きな僕ですが、ここではそんなことはどうでも良いことだと気づかされます。
まとめ
20年前に味わった初めて感動と同じ感動を、今でも味わえることは本当に幸せなことだと思います。あの時連れて行ってくれた先輩に言われたことがあります。
せっかくの助言なので途中まで食べてから、酢を入れてみました。
正直僕には醤油ラーメンに酢を入れる概念が無かったので半信半疑でしたが、本当に美味しくなったんです。びっくりでした。それからは必ず途中で酢を足しています。
僕にとってここの「もつラーメン」は自分の固定概念を取り壊し、いろいろな可能性を示してくれる、仙人のような存在だと思います。ラーメンを通じて人生の教訓を得るなんてなかなか無いことですよね。
これからも色々な思いを抱きながら、「もつラーメン」を食べ続けたいと思います。
一茶庵支店さん、ごちそうさまでした。
住所 山形県新庄市鉄砲町10-3
電話番号 0233-22-2377
営業時間 11:00~14:30
16:00~18:00
定休日 月曜日